質量分析イメージング法(mass spectrometry imaging : MSI)を用いた定量は、生体マトリクスの影響や再現性などの課題があり、いくつかの手法が提案されていますが、現在も標準となる方法は確立されていません。弊社ではこれらの課題の克服と簡便性を考慮した定量的質量イメージング(q-MSI)法の開発についての論文を発表致しました。

弊社で開発した定量法では検量線のために新たな試料は不要で、実試料となる凍結切片を作製する際のトリミング片から調製した模擬組織スポットを用います。これにより、定量する試料と同じ試料から検量線を作成することができ、従来の方法と比較して検量線の調製が簡単で特別な装置や手技を必要としないため、コストと時間の削減が可能です。また、模擬試料において生体マトリックスの影響(イオンサプレッション)が実試料と同様になるように調製することで、正確性の高い定量を可能にしました。

開発した定量法の妥当性および信頼性評価の結果から、これまでに報告されている方法より簡便で有効かつ信頼性の高い定量法を開発することに成功しました。

詳しくは下記論文をご覧ください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/massspectrometry/12/1/12_A0128/_article

弊社では当技術を用いた簡易定量オプション付き受託分析も提供しておりますので興味をお持ちいただけた方は是非気軽にご相談ください。